pHとは酸性・アルカリ性のことです。
作物によって適正なpHの範囲があり,多くの作物はpH6.0〜6.5が適正範囲です。
マンガン、鉄、銅、亜鉛などの微量元素や作物に有害なアルミニウムは酸性が
強くなると溶出しやすくなり、過剰障害が出やすくなります。
逆にアルカリ性へ傾くと溶出しにくくなり、欠乏症が発生しやすくなります。
微量元素の「モリブデン」はアルカリ性で溶出しやすくなります。
じゃがいもそうか病はpH6.0以上で発病しやすく、アブラナ科の根こぶ病は
pH6.0以下で多発します。
*代表的な作物のpHの一覧はこちら
可給態リン酸とは、作物が利用可能な土壌中のリン酸のことです。
リン酸は新しい細胞を作るために必要であり、根の発達にも大きく影響している。
作物によるリン酸の吸収量は、一般に施肥量の10%程度であり窒素や加里と比較して
少ない。リン酸は土壌に保持されるのではなく、他の物質と結合した形態で存在する
からである。土壌pHが5.5〜6.5のときがリン酸の溶出が最も多いとされている。
またリン酸の溶出は土壌の種類や気温により変化する。
リン酸の過剰障害はこれまでは発生しにくいと考えられていたが、近年では過剰障害
が報告されている。
交換性カリウムとは、土壌中にある作物が吸収できるカリウムのことです。
カリウムは光合成を促進しデンプンの蓄積を増加するとともに、ショ糖の転流を
促進する働きがある。一般に果菜類、イモ類、豆類はカリウムの要求度が高い。
カリウムの過剰はマグネシウムの吸収を阻害し、クロロシスなどを誘発させる。
交換性カルシウムとは、土壌中にある作物が吸収できるカルシウムのことです。
カルシウムは水とともに吸収されるため、土壌水分が不足するとカルシウムの
吸収が阻害される。またアンモニウムやマグネシウム、カリウムが土壌中に多い
と吸収が阻害され欠乏症が発生する。
交換性マグネシウムとは、土壌中にある作物が吸収できるマグネシウムのことです。
マグネシウムは葉緑体の構成元素であり、不足すると葉緑体の減少につながる。
マグネシウムは葉と果実に多く含まれ、作物の生育中期から後期にかけて欠乏症
が発生しやすい。
またpHが低い土壌やカリウム、アンモニウムが多い土壌でも欠乏症が発生しやすい。
土壌中の交換性マグネシウムが通常10mg/100g以下になると多くの作物で欠乏症が
発生する。
塩基類は含量だけでなく、 塩基間のバランスが重要 です。塩基間のバランスが傾くと、
養分の拮抗作用により、吸収率が低下し生育不良となります。
塩基間のバランスを以下の比率に保ちましょう。
*拮抗作用:お互いにその効果を打ち消し合うように働くこと
*以下の比率は当量比です。
(Ca/Mg/K)
Ca:Mg:Kを5:2:1
*mg/100g比だと 280mg:81mg:91mg
Ca/Mg
Ca/Mg比を4〜8
Mg/K
Mg/K比を2〜6