わかりやすい施肥の計算方法
土壌分析の結果に基づく、施肥の計算方法をわかりやすくご説明します。
その前に…
あなたの畑の仮比重と作土についてご存知ですか?
計算の流れ
① 目標値(適正値)と分析結果の値の差を出します。
② 計算式を使い計算をします。 計算式:施用量(kg/10a)=(目標値−分析値)×仮比重×作土深さ(cm)×0.1
③ 現行施用量と②の値を考慮して施肥の増減を決定する
計算方法の例
例えば、カリウムの分析結果が30mg/100gで、目標値を45mg/100gとし、畑の仮比重が0.8、作土の深さを10cmとした場合
① 目標値(適正値)と分析結果の値の差を出します → 45−30=15 → 15mg/100g不足している
② 計算式を使い計算をします。 計算式:施用量(kg/10a)=(目標値−分析値)×仮比重×作土深さ(cm)×0.1
15×0.8×10×0.1=12kg/10a → 10aあたり12kgが不足しているので施肥する
③ 現行施用量と②の値を考慮して施肥の増減を決定する
現行でカリウムを10kg/10aの施肥をしている場合、不足分の12kgも合わせて、22kg/10aの施肥を行う
リン酸の場合…
土壌にはリン酸を固定する力があります。固定の力が強いと作物が吸収しづらくなります。
その固定する力を考慮して施肥の計算をする必要があります。
リン酸の計算方法
例えば、リン酸の分析結果が30mg/100gで、目標値を50mg/100gとし、畑の仮比重が1、作土の深さを10cm、倍数6とした場合
②の計算式に当てはめると (50−30)×1×10×0.1×6=120kg/10a
よって10aあたり120kgの施肥を行う
施肥設計の注意点
・一般的に、肥料にはさまざまな養分が含まれています。不足を補おうとすると、何かが過剰になる場合があります。
・堆肥の養分も考慮し、施肥の計算を行ってください。
・カリウム、マグネシウム、カルシウムは塩基バランスにも留意してください。
・リン酸は気温により作物への吸収率が変化します。また新たに施用するリン酸の方が作物生育への効果が高いので、やや安全を見た
減肥を行ってください。