窒素について
窒素は作物の生育や収量、品質に最も影響しています。
窒素には有機態窒素を無機態窒素があり、植物は無機態窒素を吸収しています。
作物残渣や堆肥などの有機態窒素が微生物によって分解され、無機態窒素となり植物が利用しています。
無機態窒素には「アンモニア態窒素」と「硝酸態窒素」があります。
水稲やレンコンなどの水田の植物は、アンモニア態窒素を好んで吸収しています。
畑の植物は硝酸態窒素を好んで吸収しています。
過剰・不足すると
窒素は作物の生育等に最も影響しているため、不足すると生育が悪く収量が増えません。
逆に過剰になると、収量や品質が低下し、病害虫の被害を受けやすくなります。
また水稲などでは倒伏しやすくなり、野菜ではビタミンCが低下してしまいます。
畑作でアンモニア態窒素が25mg/100g以上では生育障害を起こす可能性があります。
アンモニア態窒素が多くなると、拮抗作用によりカルシウムやマグネシウムの吸収が低下します。
施設栽培では硝酸態窒素が蓄積し、作物に過剰障害が発生しやすくなります。
少なすぎや多すぎることなく適正な量が大切です。
*拮抗作用とは…お互いに効果を打ち消し合うように働くこと
適正値の目安
適正値は作物により異なります。
例えば、小松菜は収穫時に残存している無機体窒素が5mg/100g以上が適正であり
きゅうりは栽培期間中に約10mg/100gを下回ると収量が低下します。
以下の表は野菜栽培におけるだいたいの目安です。
単位はmg/100g | アンモニア態窒素 | 硝酸態窒素 |
少ない | 0.5以下 | 4以下 |
適正 | 1〜5 | 5〜15 |
多い | 5〜10 | 25 |
過剰 | 20以上 | 50以上 |